どう考えても、俺は、喋る事の方が楽だけどそれはさておき文章にしてみると楽しいというお話。感想なので、評論のようにまとめる気もなくだらだらと喋った事を文字起こしするだけでもある。

エイリアン9の一話というのは、凄くSFをしたいんだなと思った。それもとっても不細工に。SFの定義というのは、諸説あれど、基本的には、現実感をどれだけ持つかだと思っている。

例えば剣と魔法の世界はファンタジーだ。しかし、異次元を旅する門を科学が開発し、その先にある世界が、剣と魔法の世界だった。これだとSFなわけだ。

この定義は、恐らく概ねあっているとは思う。(その中でハードSFからライトSFまで定義は幅広くあるし、スレイヤーズのように作品単体では、ファンタジーだが設定や世界観だけを考えるとSF的になったりとめんどくさいのもあるけど。そこまで厳密に区分わけしなきゃいけない話でもないので、取り合えずエイリアン9をSFと定義する事に問題が無いして話を続ける。)

そんな分けでエイリアン9の一話は、なんとかエイリアンと地球人を、無理やり現実感に落とし込もうとした話として存在している。ここらへんは、もう少しエイリアンに対し地球人が異質感を感じてる方が現実味があるのだが、なぜかそうはならない力技を使っている。この力技は、常に付きまとう事になり、どうしても話にはまり込めない、没頭できない、SFの持つ魔力をやや喪失している結果になったんじゃないかなという印象だ。(かすみが天才であるという設定も急に登場するし、特に一巻の描写不足の結果後々の複線回収時の説得力の薄さにつながってる)

次に感じたのは、半端にセカイ系の影響を受けてるんじゃないかなーという印象。大人達や小学校の周囲以外の登場のしなさ加減や大人達の目的が謎めいてる部分など。主人公のいじいじした性格なんかも含めて。しかし、そこまで強い影響を受けてるわけじゃないで、まぁ時代的にそういう雰囲気が受けるもしくは、流されたのかな?って感じ。

成分として無理やり分けるなら、レスでもあったけどそれに寄生獣的要素もあるんだろう。ただどれも、そういう作品を目指したんじゃなくて、偶然かぶったか時代的に影響を受けざる得なかったかのどちらかくらいの影響のされ方だけど。

全体を通して感じたのは、お話的に特にメッセージ性が強いとかギミックが用意されているというわけも無く、そこを楽しむマンガでもないなーといった印象。設定だとかそういう発想だとかちょっと残されてる謎だとかを考えるのが面白いという感じのマンガ。そういう面における複線においては、それなりにわざと残しつつ(匂わせる事が大事な場合だって多々ある)肝心な所はそれなりに回収しつつという上手さも随所に見られる。エイリアンと人間の関係性を、地球侵略作戦というレポートの1ページで語って後ではほとんどその点について言及しないそのやり方は、うまいわけじゃない。が、決して力技で解決できる物でもなく、面白い表現だなぁと思った。恐らく富沢ひとしの中には、広大のパズルが感性されていて後は、彼の感性でその部分、部分をマンガに出しているという手法だと思う。ちょっと読みづらさはあるのだが、そのやり方はそれなりには、成功してると思うし、その結果力技の部分もあるのだが、上記の地球侵略作戦の点など面白い部分もあり、ここらへんの未完成な粗さこそが、エイリアン9の醍醐味であり、一番面白かった部分でもある。

という感じの話をしたはずなんだけど、眠かったんであんまり覚えてない。まぁそんなわけで、次は、ベルモンドなわけですが、ベルモンドは、まーたねむさんには、辛いジャンルのマンガになりそうな感じではある。エイリアン9よりも。いや、分からんけどw